A1. 離婚をするための方法としては以下の3つがあります。
1.協議離婚
2.調停離婚
3.裁判離婚
1.協議離婚とは、
文字通り夫婦間の合意によって離婚をするものです(民法763条)。近年増加傾向にある離婚にあっても、協議離婚が圧倒的に多く、離婚全体の9割を占めています。協議離婚では裁判離婚のように法定離婚原因(民法770条1項)が要求されず、合意さえ成立すれば(離婚届の提出は必要)離婚ができ、最も簡易な方法といえます。
2.調停離婚とは、
夫婦間での離婚の合意が成立しない場合に、家庭裁判所に対して調停を申し立て、調停委員を交えて離婚を成立させる手続きです。調停手続きでは、離婚の合意が成立しない場合はもとより、離婚の合意ができても慰謝料や財産分与の額、子供の親権の帰属、養育費の額など離婚に関するあらゆる問題について、調停委員という第三者を交えて話し合うことができます。但し、裁判離婚と異なり、あくまで夫婦のお互いが合意をしなければ調停離婚は成立しません。また、離婚調停においては離婚の合意を斡旋する役割のほか、まず離婚を回避するよう当事者を説得する役割が期待されています。それゆえ、調停離婚であれば必ず離婚が成立する、という訳ではありません。
3.裁判離婚とは、
文字通り裁判で離婚訴訟を行い、離婚を認める判決を得て離婚する方法です。夫婦間において合意が成立しない場合でも離婚ができる点が最大の特徴です。(※上記の他に、法律上は「審判離婚」という方法も存在しますが、実際にはほとんど用いられておらず、また実用性も低いためここでは取り上げません。)
そうすると、離婚を考える方としては、まず協議離婚を試み、それが駄目であれば、裁判離婚をする、と考えるのが自然と思われますが、家事審判法18条では調停前置主義といって、離婚訴訟をする場合でも、必ず一度離婚調停を申し立てなければならない、とされています。したがって、いきなり離婚裁判を起こすことは出来ず、まずは調停を申し立てる必要があります。なお、調停は少なくとも4~8か月ほどの時間がかかります。また、離婚訴訟となると1年から1年半かかります。このように、裁判離婚は精神的負担の他に、時間や労力がかかることも覚悟する必要があります。 |